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2006年11月27日 (月)

澄んだ空気の中で…

今回も、調教の写真を撮りにお邪魔させていただきました。いつもありがとうございます。

朝6時。静かな空気に馬とそりの音だけが響く。その幻想的な風景を目の前にしたら、ここ最近の出来事が頭から消えてしまっていた。
ふと思い出して、最後ではない、自分の出来る限りのいい写真を撮らねばと誓う。
さすがに取材が多い。カメラだけではなくテレビ局もいる。最近報道が多いせいか、厩務員さんたちも挨拶返してくれる人が多くなりました(笑)
「ばんば終わるから撮りに来たの?」「違いますー」「札幌?何か仕事ないかい」
そして、写真を撮っていると何度か言われた言葉がある。「いいとこ撮っといてね」
撮ってね、じゃなくて撮っておいてね、と。いつも優しい表情の騎手にも言われた。「あの人までもが…」という表現で、元気がないと聞いていた方だった。この時も優しい笑顔だった。

テレビがまわっていたので映らないよう逃げる(^_^;) 谷調教師が取材を受けていた。
栗毛に大きなしろい作があるかわいー子。その子をなでながら話しているのが聞こえる。
この子たちは人間を信頼している…
悔しくて、と涙を流し、調教に向かった。

それを見て、私も猛烈な悲しさと悔しさ、そして懺悔の気持ちが体中を襲った。涙があふれ出る。私は何を考えていたんだ。もし草ばん馬になったら、オープン馬だったら残れるのかな…なんてことを考えていたのだ。
競馬場の人たちにとっては、全馬がパートナーで大事な存在、成績の優劣なんてその点に於いては関係ないことなのだ。
自分じゃなくて馬のためにとばんえいの存続を願っている人たちがここにはたくさんいるのに、私はなんとひどいことを考えていたのだ…。
残さなくてはいけないのは「ばんえい競馬」なのだ。

派手なトラックがやってきた。調教も終わりに近づき、引越しの準備がはじまった。厩務員さんの重機の動かし方上手すぎるし。すいすいとそりをトラックに乗せていく。
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「60年やってきたものを、1ヶ月でやめるなんてなーにいってんのよ」と元気な声が聞こえた。
逆にこちらが元気づけられた。私もファンがみんな応援していますから、ということを伝えにきたのになー。

元気のなさが気になっていた人も近くで引越し作業をしていたので声をかけた。ファンもみんなやれることやりますから、無理しないで…というと「無理もいつまで出来るか…」
辛そうな横顔を見るのが辛く、クレーンで引き上げられるそりに視線を戻した。
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何年か前、4場が2場になるという話が出ていることを聞いたことがあった。何も知らなかった私はそのとき、ジプシー生活を続けている厩舎の人たちが、今よりは家族との時間をとれるからいいのではなんて思った。「4場が2場になった時はばんえいが終わる時だ」と言われたが、今になってそう言った理由がわかるようになってきた。
こんな辛い時でさえも近くで過ごすことの出来ない家族たちの辛さを思う。

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ばん馬のいる風景

プロフィール

  • ゆかです。北海道在住。いろんな馬に会うことが好き。 ばんえいは「ばん馬のいる風景」、ホッカイドウ競馬は「つぶ串ひとつ」というブログで書いてます。それ以外の馬ネタの行き先がここ。 TwitterとInstagramは@primoordine。地元紙記者、競馬ライター・カメラマン。小久保(斎藤)友香の名前で出ています

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