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2011年10月13日 (木)

ロックハンドスター

震災後、ネット上に置かれていたロックハンドスターのペーパークラフトを作っていた。
クラキンコフィギュアの横に置いた。三冠馬同士の対決。実現することがあるかな。それは案外早く叶った。岩手競馬の開幕が遅れたから、門別にやってきたのだ。
赤いメンコには白地で「Rock Hand Star」と書かれている。ナイターの明かりに照らされて、ムキムキの筋肉は影をつくる。やっぱり岩手の星だ。出会えたことがうれしかった。

道営馬は岩手に遠征することが多いから、岩手の強い馬との勝負に興奮する。ロックはこれからずっと、そんな場に出てきてくれる。そう思っていた。

震災から7ヶ月が経った。
新聞には特集記事が出ている。
-人は何か意味があって生かされると思っていた。でも、違っていた。生死の境に特別な意味はなかった。-

四ツ割勝負服に「がんばろう東北」と書かれたスボンの菅原俊吏騎手は、ころげおちた芝生の上で、目でロックを追っていた。

ルドルフが亡くなって、馬は寿命を知っているというようなことを書いた。でも違うじゃないか。なんでここで命を落とさなくてはいけなかったか、という馬を私はたくさん見てきているのに。

岩手競馬を応援している人たちが好きだ。なんで、悲しい思いばかりしなくてはいけないんだろう。
あれから少し経って、ロックが亡くなった意味を、みんなが探そうとしている。最近、悲しさと前向きさの同居ばかりだ。胸が痛い。

私は前向きにもなれず、あのまま止まっている。
いつか、時間が癒すと思いながら。いつまでたっても、その時間は短くはならない。

posted by (C)ゆか

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ばん馬のいる風景

プロフィール

  • ゆかです。北海道在住。いろんな馬に会うことが好き。 ばんえいは「ばん馬のいる風景」、ホッカイドウ競馬は「つぶ串ひとつ」というブログで書いてます。それ以外の馬ネタの行き先がここ。 TwitterとInstagramは@primoordine。地元紙記者、競馬ライター・カメラマン。小久保(斎藤)友香の名前で出ています

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