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2014年3月 8日 (土)

北海道で見たい、祭の馬

競馬をはじめて数年経つと、引退した馬のことについて考える。多くの競馬ファンが迎える儀式だろう。私は引退し、繁殖馬とはならなかった馬たちに会いにいった。牧場、乗馬クラブに馬術大会。引退した馬が幸せであることを、この目で確かめたかった。それは、全ての引退馬がそうはならないということに対する、私なりの供養でもあった。

友人の好きな馬が相馬野馬追に出場するというタイミングで、はじめて野馬追を見に行った。馬たちがとてつもなくかっこいいことはもちろん、福島で馬を扱う人たちの、人の良さに惹かれた。

3月11日の震災で、浜通りが大きな被害を受けたことを知る。馬は、人は大丈夫なのか。何もできないもどかしさを抱えながら、情報を集めていた。
ある日テレビに映った、被災した馬がいるという馬小屋は、今まで私が見てきたものとは違った。
番組ではそうだとは言わなかったけれど、これが馬肉になる運命の馬たちがいる場所なのだと確信した。
それならば、この馬は震災に遭ったことで、「被災馬」として生きていけるのか-
震災があったから生きながらえた馬がいた。そんな数奇な運命の馬のことは、きっと震災の歴史の中でも伝えられないまま、過ぎていくのだろう。そう思っていた。

「祭の馬」は、引退後食用として飼われていた場所で被災し、結果、野馬追の馬として生きることになった馬、ミラーズクエストを描いたドキュメンタリーだ。映画には、被災馬を受け入れた日高町の映像もあるという。私の中でひっかかっていた、あの馬たちのことを取材し、タブーといわれる内容を描写してくれた、貴重な映画だ。

内容はもちろん、ドバイ国際映画祭の一部門で最優秀賞も受賞し、北海道の景色が流れる。札幌でもいつか上映されるだろう、されないわけはない、とのんびり構えていたけれど、まだ上映するという話は聞こえてこない。
馬産地だけに引退馬の話は重すぎるのだろうか。なんとか北海道で上映されないだろかと気を揉んでいる。私は映画には詳しくないのだけど、簡単にリクエストとかできるものなのか。
内地に行くしかないのだろうか。でも、北海道の人にたくさん見てほしい。

祭の馬 公式サイト
http://matsurinouma.com/

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ばん馬のいる風景

プロフィール

  • ゆかです。北海道在住。いろんな馬に会うことが好き。 ばんえいは「ばん馬のいる風景」、ホッカイドウ競馬は「つぶ串ひとつ」というブログで書いてます。それ以外の馬ネタの行き先がここ。 TwitterとInstagramは@primoordine。地元紙記者、競馬ライター・カメラマン。小久保(斎藤)友香の名前で出ています

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