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2015年2月27日 (金)

49年早生まれ

人口の割に、同級生にあたる年代の騎手はそう多くない。
その少ない中の1人が後藤騎手だった。昭和49年早生まれ。勝手にシンパシーを感じていた。
一番それを強く感じたのは、29歳の時だった。
20代のうちしかできないことがある。ちょっと羽目を外したり、思い切ってみたり。
そう思い始めていたときに、29歳の後藤騎手はテレビに向かってはしゃいでいた。
それが、30になるとぱったりと止まった。「最近は後藤も前ほど変なことしなくなったね」と言われていたけれど、私は、これは30になったけじめなのかな、と思っていた。いつか会って、いろいろと話すことができたら、この話をしてみたい。そう思っていたけれど、そのチャンスは永遠になくなってしまった。
何かしてしまうんじゃないか、という怖さはあった。でも、そんな危うさを持った騎手なんていっぱいいる。まさかこのタイミングで、死ぬなんて。
いろいろなことを思い出すたびに、辛くて、考えこんでしまう。

2015年2月17日 (火)

わたしにできること

最近思う。私は働く馬が好きなのだと。
見た目にわかりやすい馬車や馬搬、馬耕の馬たちだけではなく、競馬や乗馬の馬たちなども全部含めて、人に従事してくれる馬たちが愛おしい。そして、その馬と人とのつながりが好きだ。
最近、馬文化を残していこうという新しい動きが、確実に増えている。
あちこち写真を撮りに行くたびに、何もできない自分がもどかしくなる。私もどこかに一緒に加わるべきか? 結局は「私にできることはこれらを伝えること」という結論になる。でも、口先ばかりで体を動かさない自分がすごく情けない。というより、伝えることさえもできていない。ここ最近、これでいいのか、と自問自答の思いが強くなっている。
そんな思いが強かった時、登別で馬搬を撮影しに行って「紹介してくれたおかげで、馬搬やりたい、という人から連絡くれるようになって」と言われて、ちょっとは役に立てたのかな、とほっとした。
昔より、ネットで紹介することを嫌がられたり、よく思わない人が増えたりして嫌になることも最近は多い。でも、そんなことに負けてられない。自分が馬のためにできるほんの小さなことだけど、続けていく強い気持ちを持たなければ。

2015年2月11日 (水)

馬の絵本でおもうこと

1ヶ月くらい昔に書いたもの、アップしていなかった(汗)↓

北海道文学館の「うまとあそぼう」が1月18日で終了。
最終日には、「どさんこうまのふゆ」などの本田哲也さんの講演に行く予定だったのだけど、絵本にも出てくるような、どさんこが埋もれるくらいの大雪だったため札幌に行くのを断念。どさんこを取材した時の話なども聞いてみたかったなぁ。

先月は、私が大好きな加藤多一さんの「文芸トーク」が開催された。もともとこの企画展は、図書局の高校生との共催みたいな感じ。トークでも、加藤さんは話が得意じゃないといって高校生にふる(笑) 加藤さんの話を聞きたかったけど仕方がない。それならば、この「うまとあそぼう」という企画で、高校生が馬のことをどのように思ったのかを聞いてみたかった。

高校生が選んだのは加藤さんの3作品。戦争中の馬との関わりを書いた「馬を洗って…」「ホシコ」、北海道開拓の風景を描いた「原野に飛ぶ橇」。好きな話が多くてうれしい。
でも、軍馬の話ということから、戦争教育に話が進んでいく。周りの人たちも馬ではなく戦争の話について盛り上がる。そこなのか?! なんではだしのゲンが出てくるんだー。
図書局なら、もっと好きな本を読むことで楽しんでほしい。でも、優秀な高校生は、社会との関わりについての答えを求められてしまう。そのことが不憫だった。私の大好きな「原野に飛ぶ橇」についての話は少ししかなかった。あったとしても、感想は「働かされる馬」と「ノーマライゼーション」について。

中高生時代に「大人から求められるもの」を漠然と感じ、それに応えようとする気持ちはわかる。反戦教育だって悪いとは思わない。でも、これじゃ私たちの時代と変わっていないじゃん……。今は私たちの時代よりもっと、自由に意見を言えるのかと思っていたけれど、そうでもないのかな。
「うまとあそぼう」というテーマをもってしても、人と馬との関わりについて、考えようとする基盤がないのは残念。なんていってる私も、高校生に馬についての答えを求めているんだよな。
でも、加藤多一さんの本を読んで感じることは、戦争と働かされる馬のことだけなのかな。

どさんこ馬市民講座

2月上旬に、円山動物園で行われた「どさんこ馬市民講座」に行ってきました。
毎年この時期に行われているので、この機会に合わせて年に一度、動物たちに会う。時間がなくて、最近ではポニーに会う程度になっているのが申し訳ない。
地下鉄の駅から動物園までは雨が降っていた。実技あるのになー。2月に入ると春を感じるようになるが、雨や温度計のような目に見えるものだけではない。ある程度北海道に過ごした人間が感じる、「春が近づいている」という感覚がある。日差しの強さや匂いといったものだ。

はじめは、北海道和種馬保存協会事務局長の白井興一さんによるどさんこの概要。ウマとどさんこの歴史を幅広く説明してくださって興味深い。ウマの歴史ってどこかで目にはしているのだけど、いつも脳みそ通り抜けてしまう(汗)。とはいえ、そのつど感じ方が違うように思う。以前は説が2つあったものも、DNA鑑定が普及してきたおかげではっきりしてきた内容もあるらしい。それでもまだわからない部分やミステリーがいくつもあるという。

その次は、「NPO法人日本治療的乗馬協会」の理事長である、滝坂信一帝京科学大学教授のはなし。初めて聞く団体名だ。馬を知りはじめたころ、障害者乗馬に興味を持って集まりに行ったりもしたけれど、結局何もしないままな私…。それから急激にこの分野は進歩して、団体もたくさんできている。滝坂先生はそれらの団体をつなげる役割も担っているそう。

以下、滝坂先生の話メモ。
馬と触れ合うことと乗馬はイコールではないということ。近所の小学生18人が授業で大学の馬を訪れたときに、「馬に乗ったことがある人」と聞くと、4人が手を挙げた。「馬に触ったことのある人」というと1人しか挙げなかった、これはおかしい、と。3人は馬に乗ったけれど馬には触れていない。「馬にちゃんと出会ってほしい」ーと、今の実習は馬房の掃除や馬の手入れを行っているらしい。
一般的なひき馬体験って、乗った後に馬の顔をなでたりしにくい気がする。リッキーやミルキーはニンジンをあげるチャンスがあることが、大きな意味をなしているんだなぁ。
乗馬と肩車が似ている、というのも面白かった。子どもを馬に乗せると最初は緊張して縮こまってしまう。肩車も、最初はそう。でもこの人が大丈夫だとわかると、止まりたい、右に行きたい、など指示するようになる。
何枚か写真も見た。自閉症の子が、馬の背中に抱きつくようにしている写真、ものすごく幸せそうなすてきな笑顔だった。

ほかにもたーーーくさん、新しくいろいろなことを知ることができました。
どさんこの普及は、このような「騎乗」と、荷物を載せる「だんづけ」が考えられるとまとめられていた。働く馬好きな私はだんづけに興味がある。さまざまな場所で、どさんこ、馬がもっと活躍できる場が増えてほしいと願うばかりです。

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ばん馬のいる風景

プロフィール

  • ゆかです。北海道在住。いろんな馬に会うことが好き。 ばんえいは「ばん馬のいる風景」、ホッカイドウ競馬は「つぶ串ひとつ」というブログで書いてます。それ以外の馬ネタの行き先がここ。 TwitterとInstagramは@primoordine。地元紙記者、競馬ライター・カメラマン。小久保(斎藤)友香の名前で出ています

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