馬の絵本でおもうこと
1ヶ月くらい昔に書いたもの、アップしていなかった(汗)↓
北海道文学館の「うまとあそぼう」が1月18日で終了。
最終日には、「どさんこうまのふゆ」などの本田哲也さんの講演に行く予定だったのだけど、絵本にも出てくるような、どさんこが埋もれるくらいの大雪だったため札幌に行くのを断念。どさんこを取材した時の話なども聞いてみたかったなぁ。
先月は、私が大好きな加藤多一さんの「文芸トーク」が開催された。もともとこの企画展は、図書局の高校生との共催みたいな感じ。トークでも、加藤さんは話が得意じゃないといって高校生にふる(笑) 加藤さんの話を聞きたかったけど仕方がない。それならば、この「うまとあそぼう」という企画で、高校生が馬のことをどのように思ったのかを聞いてみたかった。
高校生が選んだのは加藤さんの3作品。戦争中の馬との関わりを書いた「馬を洗って…」「ホシコ」、北海道開拓の風景を描いた「原野に飛ぶ橇」。好きな話が多くてうれしい。
でも、軍馬の話ということから、戦争教育に話が進んでいく。周りの人たちも馬ではなく戦争の話について盛り上がる。そこなのか?! なんではだしのゲンが出てくるんだー。
図書局なら、もっと好きな本を読むことで楽しんでほしい。でも、優秀な高校生は、社会との関わりについての答えを求められてしまう。そのことが不憫だった。私の大好きな「原野に飛ぶ橇」についての話は少ししかなかった。あったとしても、感想は「働かされる馬」と「ノーマライゼーション」について。
中高生時代に「大人から求められるもの」を漠然と感じ、それに応えようとする気持ちはわかる。反戦教育だって悪いとは思わない。でも、これじゃ私たちの時代と変わっていないじゃん……。今は私たちの時代よりもっと、自由に意見を言えるのかと思っていたけれど、そうでもないのかな。
「うまとあそぼう」というテーマをもってしても、人と馬との関わりについて、考えようとする基盤がないのは残念。なんていってる私も、高校生に馬についての答えを求めているんだよな。
でも、加藤多一さんの本を読んで感じることは、戦争と働かされる馬のことだけなのかな。