2018年5月28日 (月)

バルダッサーレの勝利

24日、バルダッサーレが東京ダービー以来の勝利を挙げたという。
南関東まで目が届かず、最近の戦績を知らなかったがそんなに勝ちから遠ざかっていたのか。それはうれしい。

サンシャイン牧場のダービー制覇。感慨深いものがあったが、JRAの移籍初戦だっただけに物議を醸し、切なく思っていた。
ずっと応援している馬主さんの馬が、いろいろ言われてしまうのはしのびない。もの申せる媒体がある人の馬なら、理解もされたのだろうか。勝ちを求める姿勢のどこが悪いのか。
でも、競馬を始めたばかりなら私も疑問に思っていたのかもしれない。
長いことオーナーの所有馬を見てきて、勝つためにレースを選ぶ貪欲さを感じ取っていたから、移籍もすっと受け止められたのだろう。

一頭一頭の馬には周りの人間が必死に考えた勝利への方法論があって、それは人それぞれだ。一瞬驚くこともあるけれど、一旦立ち止まってその思いを丁寧に感じ取りたい。それが競馬を楽しむ方法だと思う。

2018年4月14日 (土)

ハロン2017

『地方競馬年鑑 ハロン2017』が発行になりました。
プレゼント応募→ http://www.keiba.go.jp/topics_pickup/2018/04/04115450.html
販売→ https://www.hakubaouji.com/shop/
WEBハロン→http://www.keiba.go.jp/furlong/

私はばんえい1R、道営3Rを書いています。
生産者の方の話を紹介したい、という思いは昔からあるのだけど、昨年は特にいい話を伺うことができたなぁと思っている。もっといろいろとエピソードはあるのだろうけど。

サッポロクラシックカップはソイカウボーイ。内藤律子さんのカレンダーに載った話を聞くことができた。
ノースクイーンカップはジュエルクイーン。ナイターから自宅に帰り、夜中にハイテンションで一気に書き上げるからか、どうもきざな言い回しで締めることが多くなってしまいあとで恥ずかしくなるのだが、今回も「宝石の輝きがどうたら」とか、あああゴロゴロって感じ。
そして道営記念。ステージインパクトがSI君だったって話、聞けて良かったなぁ。友人の応援馬だったし。

その隣にあるのがばんえいグランプリ。
ニュータカラコマの関係者の方々に話を聞き、掲載することができてよかったと思う。
彼は強い馬だ。これまで4、2、2、3着だった1トンのレースが辛かったとか無理だったんじゃないんだ。いろいろな誤解にもやもやすることが多いけれど、一番腹が立つのは、彼が弱い馬だったと思われることだ。
ニュータカラコマの強さを伝え、残していきたい。

2017年8月19日 (土)

的場文男デー

かなり昔の話ですが、メモから。
一時期、大井競馬場が的場文男カラーだった。素敵すぎる。これは行ってみたかったわー。
高橋華代子さんのブログで大井の雰囲気が伝わってくるーー。
http://nankandamasii.jugem.jp/?eid=10760
http://nankandamasii.jugem.jp/?eid=10912

2013年5月11日 (土)

福山競馬2007

写真整理していて出てきた福山競馬の写真。私、以前アップしそびれたままだったみたい。
2007年、カメラを持った女は珍しく、おっちゃんたちによく声をかけられた。
馬も人も、おっちゃんたちも近くて優しくて、一度しか行かなかったけど、大好きといえる競馬場だった。

荷物預け所のおばちゃんに、北海道から来たというと「ばんえい!どうなった?みんなで存続するようにって署名集めたのよ」と言ってくれた。私は何もできなかった。
食べ物はなんでもおいしかった。瀬戸内海最強。魚が一番おいしいのは北海道だなんて思っていたのは大きな間違いだった。小ぶりな魚たちにはうまみが濃縮されていた。
当時、何かあって生牡蠣を食べることができなかった。「また牡蠣食べにきます」とすっかり気に入った私は地元の人に話したのに、結局この時が最後だった。
あと、競馬場向かいのホテルに「競馬場側の部屋で」と恥ずかしさを押し殺して電話したのに、次の日は調教が休みで追い切りを見られなかったな…

ちなみにこの日、千歳が猛吹雪で飛行機が飛ばず、「飛行機が次の日の夕方しか取れなくて」とか職場に電話して園田を見に行きました。取れなかったのはほんとよ!(伊丹が、だけど)



Facebookのリンクはこちら。

2013年3月22日 (金)

福山競馬のこと その1

24日、ばんえい記念が行われる日が福山競馬の最終日だ。

私、福山競馬に行ったときのことをアップしていないみたい。かろうじてつぶ串に。

それは2007年1月。ばんえいの存続が決まってすぐのことだった。荷物預け所のおばちゃんに北海道から来たというと、「ばんえい!!どうなった?みんなで署名集めたのよ」と言ってくれた。
なにもできなくて、ごめんなさい。

この辺りの食事はすべて美味しかった。北海道って食べ物が美味しいところだなんて思っていたけど、とんでもない。魚は小さいけれど、だからこそなのか、風味があってとにかく美味だった。
カメラを持って食堂に入ると、たむろしているおじちゃんたちに珍しがられた。人がいい。すてきな場所だった。

この時、生牡蠣は提供していなくて食べられなかった。競馬場の人に「また、牡蠣食べにきますね」と言ったのに、結局、行けなかった。

わたしがいいなぁ、と思ったところはなくなっていくんだ。切ないよ。

いろいろ思うところはあるので、また書きます。

2012年1月16日 (月)

佐賀競馬

小分けにでも更新しようと思いながら相変わらず出来ず、次の日の佐賀競馬のこと。
友の会バスで、柳川から競馬場へ向かった。
常連のおじちゃんたちが、競馬の話からテレビの話題まで盛り上がる。聞こえてきてしまうので飽きることがなかった。荒尾、9000万売れてたとよ。たいしたもんじゃ。ペリエじゃの、フランスかなんかの騎手…いや、ペリエじゃなかとよ、ベリーヤじゃ。トイレに何千万置いてったって人いるとよ。俺んとこに置いていってくれればいいのにな。震災に寄付するっていうならお前に入れてやるけど、あんた競馬に使うからだめだわ。…

大きな駐車場を埋め尽くす車に子供連れ。今日は土曜日だということに気づく。荷物はコインロッカーに預けた。
きっと、ほとんどの人はJRAの馬券売り場に向かってしまうのかと思ったが、スタンドにはかなりの人が残っていた。
おおっ、これが「何でも焼く店」!
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スタンドからJRAの馬券売り場まで行く間に「佐賀競馬は頭数が少ないから当てやすい!」という張り紙があった。
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至るところで馬券の情報が紹介され、売上増に向けた努力が垣間見られる。
JRAのメインレースが終わるとすぐに「佐賀競馬は○分からレースです」とアナウンスを入れる。洗練されている感じは受ける。競馬に熱心な場所だ。でも荒尾に行ったあとだからなのか、冷たい雨のせいもあるのか、なにかさみしい。
たくさんある食堂には、武豊とスノーエンデバーの写真が飾られていた。旭川競馬にもこんな食堂があったことを思い出してほっとする。

今の競馬では、存続の条件は売り上げの数字だけを見られてしまう。その現実をわかっていても、私は競馬の楽しさを馬券以外に感じている。その後ろめたさを凌駕するほどの魅力があるのだから仕方がない。
とはいえ、自分の好きな競馬場の雰囲気は、存続に反しているのかという思いで何度も悩んでしまう。

生活が苦しくなることがわかっているのに、それでもばんえいを存続させよう、と声をあげてよかったのか。つらそうな話を聞くといつも思う。ぼそっとそのことをつぶやくと、「そう言われたら元も子もないから、がんばるしかないんだ」。そういう、強い厩舎村の人たちに励まされてきた。

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たくさんの人がいたこの日の佐賀競馬の売上は、5000万だと聞いて驚く。

    *

11月の道営記念の寒い寒い日、スタンドに荒尾でお世話になった調教師が来ていた。たぶん、厩務員の働き口を探しにきているのだろう。または、馬。

年明け、その調教師から「引退しました」という丁寧なハガキが届く。自分の成績より、所属騎手の活躍、騎手、厩務員の次の職が決まったことを喜ぶ文面に涙が出る。

2011年12月 3日 (土)

荒尾その1

少しずつ小分けに、九州遠征記。
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荒尾競馬場についてすぐ、スタンド裏で売られていた「荒尾梨」を買った。めちゃくちゃでかい。朝っぱらから大きな買物をしてしまった。梨と旅行道具を荷物預け所へ持って行くと、お化粧の濃いお姉さんが手続きをしてくれた。地方競馬のよくある風景だ。
スタンドでぼーっとしていると、繰り返されていた女性のアナウンスが、町中ではなく競馬場のものであることに気づく。「荒尾競馬は12月23日をもって終了いたします。いままでのご愛顧ありがとうございました」。どこかで聞いた…、廃止2ヶ月前の宇都宮競馬だ。

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写真を撮るので、友人と場内を歩く。
調教師が「競馬なくなったら、もうこうやってしょっちゅう会えんくなるな!」と笑顔を見せる。「んも~、そんなこといわんといて!」と友人。みんなは長い間このことを話し続けて、悲しみやつらさをすべて通り越して、冗談も飛ぶのだろう。厩務員らしき男性に友人が挨拶した。「組合の会長さん。」 補償や今後の仕事先は、過去、廃止になった競馬場のようにひどい切られ方をしたとは聞かない。頑張られたんだろう。おつかれさまでした、と遠くから彼を見つめた。

地元の新聞記者に、荒尾競馬のいい記事、読みましたよと声をかけた。「いい話は、どんどんと…ね。」と、取材を続けている。タイムリミットまで、ステキな話を聞き続けるのだろう。

調教師、騎手、厩務員らは、顔をあわせるたびに「あいつは浦河?追分?」「園田行くって言ってたぞ」と、行き先を心配しあっていた。「俺は隠居だ」と笑う調教師に、先の記者は「先生はいつも人のことばっかり心配して…」とつぶやく。

スタンドに戻る。「できるだけ見に来てるんだ」。ファンの方々が集まっている。「あの先生は行き先決まった?」同じく、暖かくて優しい。

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ラーメン屋で、荒尾競馬の映像の話になった。撮られた人から、「カメラに向かって、荒尾競馬頑張って、と言ってください」と言われたけれど、それはできなかった、という話を聞いた。
優しいファンは、競馬関係者を苦しめてまで、自分たちの大好きな競馬を続けてとは言えなかった。
すべてにおいて、存続するにはもう限界だったのだろう。
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ゆっくりとした時間が流れ、優しさがあふれている競馬場に、冬の陽射しが暖かくふりそぞく。だからこそ、続けられなかったのかとも思う。人との絆の大切さを気づかされた年に、そのことを大切にしていた競馬場がまた一つ減ってしまう。

2011年10月13日 (木)

ロックハンドスター

震災後、ネット上に置かれていたロックハンドスターのペーパークラフトを作っていた。
クラキンコフィギュアの横に置いた。三冠馬同士の対決。実現することがあるかな。それは案外早く叶った。岩手競馬の開幕が遅れたから、門別にやってきたのだ。
赤いメンコには白地で「Rock Hand Star」と書かれている。ナイターの明かりに照らされて、ムキムキの筋肉は影をつくる。やっぱり岩手の星だ。出会えたことがうれしかった。

道営馬は岩手に遠征することが多いから、岩手の強い馬との勝負に興奮する。ロックはこれからずっと、そんな場に出てきてくれる。そう思っていた。

震災から7ヶ月が経った。
新聞には特集記事が出ている。
-人は何か意味があって生かされると思っていた。でも、違っていた。生死の境に特別な意味はなかった。-

四ツ割勝負服に「がんばろう東北」と書かれたスボンの菅原俊吏騎手は、ころげおちた芝生の上で、目でロックを追っていた。

ルドルフが亡くなって、馬は寿命を知っているというようなことを書いた。でも違うじゃないか。なんでここで命を落とさなくてはいけなかったか、という馬を私はたくさん見てきているのに。

岩手競馬を応援している人たちが好きだ。なんで、悲しい思いばかりしなくてはいけないんだろう。
あれから少し経って、ロックが亡くなった意味を、みんなが探そうとしている。最近、悲しさと前向きさの同居ばかりだ。胸が痛い。

私は前向きにもなれず、あのまま止まっている。
いつか、時間が癒すと思いながら。いつまでたっても、その時間は短くはならない。

posted by (C)ゆか

2011年9月 5日 (月)

荒尾競馬

廃止になりそうになって、覆って。それからは、危機感は感じているつもりでも、この感覚がかなり昔のことのように感じる。
「もう一つも地方競馬場の灯を消さない」。
わたしたちは、いつだってそう思っている。そんな人たちが全国にはたくさんいて、助け合っている。

何がいいのかわからない。競馬場がなくなるのは寂しいし悔しいけれど、関係者の人たちにとっては何が幸せなのか。
このまま競馬を続けても苦しいだけだって、我慢しているファンだっているのだろうけれど、
そう思って我慢して、なくなってから悔しい思いをした人たちがいた。彼らが言う、これからはもう灯を消さない、と。

友達の好きな馬がいた。好きな騎手がいる。そんなステキな場所。海の見える競馬場。
早く行かなきゃと思っていた。これから訪れたんじゃ、廃止巡礼じゃないか。

どうすればいい? なにが幸せ?

いまもし、ばんえいに廃止の話が出たら、どうなるんだろう?
自分の頭ではまとめきれずに、もやもやした気持ちと悲しさばかりがつのる。

2011年2月20日 (日)

南部駒賞

南部駒賞は、いつもホッカイドウ競馬が終わったあとに、道営馬強いだろーいえーいといって嬉しがるレース?だった。
今年はレース前に岩手側のTwitterで、見てろよベストマイヒーローの強さ、というようなツイートがあったりして、岩手vs道営のガチンコにいつも以上にわくわくしていた。道営開催中だったけれど。
結果はベストマイヒーローの勝利。それでも、参りました、岩手もすごい!と思えたことが楽しかった。岩手と道営が、こうやってライバルとしてお互い強くなっていけばいい。がんばれ岩手競馬。

より以前の記事一覧

ばん馬のいる風景

プロフィール

  • ゆかです。北海道在住。いろんな馬に会うことが好き。 ばんえいは「ばん馬のいる風景」、ホッカイドウ競馬は「つぶ串ひとつ」というブログで書いてます。それ以外の馬ネタの行き先がここ。 TwitterとInstagramは@primoordine。地元紙記者、競馬ライター・カメラマン。小久保(斎藤)友香の名前で出ています

つぶ串ひとつ

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